マスターズ&賞金王へ、金谷拓実(23=Yogibo)が通算11アンダー、205の首位と3打差2位に浮上した。

8打差10位から出て、終盤16番パー4でチップイン・イーグルを奪うなど68をマークした。優勝すれば、マスターズ出場圏内=世界ランク50位以内突入と賞金ランク1位浮上の可能性があり、最終日に3打差逆転を狙う。堀川未来夢(28)が通算14アンダーで完全Vに王手をかけた。

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寄せるのも難しいアプローチを、金谷はカップに放り込んだ。ティーグラウンドが100ヤード以上前に出され、ピンまで打ち下ろしで実測315ヤード。1オン可能な16番パー4で、ドライバーショットがグリーン奥ラフにこぼれた。エッジまで打ち上げでピンに向け、ダウンスロープが入る。約20ヤードをサンドウエッジで高く上げ、約17ヤード先に落ちた球がピンにガツンと当たり、カップインした。

「簡単なアプローチじゃなくて、寄るかな、という感じ。でも、優勝するにはああいうのが必要です」。入らなければ、大きくオーバーする可能性があった。そんな幸運を必然と考えるほど優勝したい。

2つの大きな目標がある。まずは来春のマスターズ。今大会優勝なら、現在60位の世界ランクが出場権の同50位以内に入る可能性がある。「一緒に出ましょう」-。今月初旬のアジア・パシフィックアマチュア選手権に勝ち、一足早くマスターズ切符を手にした“弟分”中島啓太からLINEがあったのは、約2週間前だ。賞金王も手にしたい。現在賞金ランク3位で、1位C・キムと約2209万円差。勝てば、キムの順位次第で最終戦日本シリーズJT杯を前にトップに躍り出る。

「トップと差はありますが、ビッグスコアを出して優勝したいです」。前日終了時点の8打差は、最終日を前に3打差に接近。申し分ない位置からチャージを狙う。【加藤裕一】