賞金ランキング4位の星野陸也(25=興和)が、国内男子ツアー史上3度目となる、最終戦逆転賞金王へ2位に浮上した。7位から出て1イーグル、4バーディー、2ボギーの66と4つ伸ばし、通算6アンダー、134。9アンダーで首位の宮里優作と、3打差で折り返した。賞金王の条件は原則優勝のみ(賞金のないアマチュアの中島が優勝の場合は2位)だが、優勝賞金4000万円を獲得すれば、賞金1位のチャン・キム(米国)の成績に関係なく逆転。照準は定まった。

イーグルよりもバーディーよりも、星野には最終18番パー3のボギーに価値があった。この日の18番は、出場30人のうち18人がボギー以上のスコアで、平均ストローク3・667。昨年と統合された今季のパー3ホールで最難関となった。不規則な風に、星野もティーショットを左ラフに入れた。鋭い下り傾斜のグリーンに乗せるには、回転の量も向きも求められるが「完璧だった」と笑顔。第2打を2・5メートルにつけた。パーパットは外したが、前日の第1ラウンドでダブルボギーの苦手意識は消えた。

記録の残る85年以降、最終戦での逆転賞金王は00年片山晋呉、17年宮里優作の2例しかない。キムとは約2356万円差あるが「ドライバーの調子が戻った。気持ち良くゴルフができている」と上昇気配を実感。何よりも例年明暗を分ける難関の18番で自信を得た。「ここで優勝して、賞金王になって締めくくりができたら最高」。今季4勝目で有終の美を飾るつもりだ。【高田文太】