世界アマチュアランク1位の中島啓太(21=日体大)が、初出場の海外米ツアー競技でV争いに浮上した。40位からスタートし、7バーディー、1ボギーの64をマーク。通算9アンダーで首位に6打差5位で予選を通過した。

海沿いだが、強風もなく、気温も20度台後半。しかもグリーンが荒れていない午前組。好条件下で、中島がスコアを伸ばした。前半14番パー4でボギーが先行したものの、17番からスイッチが入った。3・5メートルのチャンスを決めてスコアを戻し、18番パー5は2オン2パットで連続バーディー。後半アウトは3番から3連続、上がり2連続で5バーディーを量産した。

「序盤はチャンスを逃してボギーが先行してしまったが、そこで引きずらなかったのは成長している。17番のバーディーで流れが変わり、バックナインにつながった。緊張よりもいい集中力で、わくわくしながらいいゴルフができている」。

今大会では注目のクラブを投入した。ドライバーはテーラーメイド社から12日に発表された「ステルス」だ。フェース素材にチタンでなく、より軽量化が可能なカーボンを採用。打球の初速がアップすると評判で、ツアープロからも問い合わせが相次いでいる“次世代ドライバー”を日本人として初めてトーナメントで使っている。パターは昨季、稲見萌寧ら女子プロが使用し、大ブレークした同社の「トラス」だ。

ホールアウト後は、現地メディアの英語によるインタビューに通訳なしで応じた。松山のマスターズ優勝を見たか? 「フローム・TV」。寝ずに? 「ノー・スリープ! オフコース」と笑顔を見せて「ミスター・ヒデキ、ミスター・タクミ(金谷)を追いかけたい」。たどたどしくも懸命に答えた。昨年10月に日本開催されたZOZO選手権に続き、米ツアーは2度目の出場。興奮の中、今年のマスターズ、全米、全英両オープンに出場するホープが申し分ない位置で折り返した。