欧州ツアーとして初の日本開催、日本ツアーを兼ねて行われる予定だった「ISPSハンダ欧州・日本トーナメント」が、1年延期されることが決まった。

主催の国際スポーツ振興協会(ISPS)の半田晴久会長と、国内男子ツアーを統括する日本ゴルフツアー機構(JGTO)の青木功会長が21日、都内で会見し発表。代わって欧州ツアーとの共催ではないが、当初予定されていた4月21~24日に、茨城・PGM石岡GCで、ISPS主催の国内男子ツアーの1試合が行われることも発表された。

正式な大会名は「ISPSハンダ」の後に、当初は「欧州・日本どっちが勝つかトーナメント!」だったが、日本単独開催となった新大会は「欧州・日本、とりあえず今年は日本トーナメント!」となった。

延期の理由は、新型コロナウイルス感染拡大の影響によるものだった。欧州ツアーが、日本での大会の前週と翌週に予定していた、中国、シンガポールでの大会を開催できなくなったことと、日本で開催した場合も、最低3日間の隔離は必要という政府からの回答があったことが最大の理由。欧州から大勢の選手が、日本での1試合だけのために、隔離期間を含めて10日間ほど拘束するのは現実的ではないとの、日欧双方の判断から延期が決まった。

さらに半田会長は「欧州ツアー側から、費用は全部欧州ツアーの持ち出しで、同じ日程でスペインで試合をやらせてほしいと言われた」と明かした。日本単独開催の大会と同じ4月21~24日に「ISPSハンダ」の冠で、スペインで欧州ツアーの大会が開催されることも発表した。

さらに、そのスペインでの大会に、日本ツアーを主戦場とする選手5人が、推薦出場できることも明かした。半田会長は「賞金ランキングの高い選手から順に意向を聞いて、行きたい選手に行ってもらいたい。仮に、次週の中日クラウンズの出場権を持っていない選手にまで、推薦出場の枠が降りてきても、ぜひ行ってもらいたい」と話した。ただ、今季の選手会長で、ISPS所属の谷原秀人が、かねて欧州ツアーへの出場を希望していたため、谷原がスペインでの大会出場を希望した場合は、最優先したいという。

会見に同席した青木会長は「本当に楽しみにしていましたけど来年に延期となり非常に残念」と話した。直後には「なんかさみしくなっちゃって、涙がちょっと」と、3年にわたるコロナ禍でのスケジュール変更などの混乱に、選手を思って目頭を押さえる場面もあった。それでも気を取り直して「欧州ツアーとの共催は夢でした。大いに盛り上げたい」と力説。まずは前哨戦となる、今年の日本単独開催大会の成功を約束していた。