ジャパンゴルフツアー選手会前会長でツアー3勝の時松隆光(28=ロピア)が17位から出て、67をマークして通算6アンダー、ホールアウト時点で首位に浮上した。

風が舞うコースで後半11番で3パット、13番パー3はバンカーにつかまり、2ボギーをたたいたが、150ヤード前後から7~9番アイアンでチャンスを作り、6バーディーを奪取。前半はニット帽、レインウエアを着用するなど、防寒対策も万全にして「風は昨日の方が強かったので、慣れた感じで」と難コンディションを克服した。

コロナ禍に直撃された20-21年シーズンに務めた選手会長のバトンを今年1月、先輩プロの谷原秀人に渡した。「周りの方はそう見てないと思うけど、自分では精いっぱいやりました」。

多忙だったが、オファーがあれば、積極的にテレビのバラエティー番組などに出演した。ニックネームで「げんちゃん」と呼ばれ、タレントに突っ込まれ「原英莉花選手のファン」と言ってみたり…。男子ゴルフ界に興味を持ってもらうため、いじられキャラで体を張った。

「(地元の)博多では“見られてるな”と思うこともあるけど、東京とかではまだ全然。これからも、みなさんにいつでも声をかけてほしいです」

役職は退いても、ツアーを盛り上げたい思いに変わりはない。

一方、自分の時間が増えたことで、新たな試みに挑戦した。「本格的にパーソナルトレーニングってものに取り組みました」。

親交の深い先輩プロ、池田勇太の紹介で1月から10日に1度程度だが、福岡・博多のジムに通う。池田らと約1週間の体力強化合宿にも参加。10キロ超の重りを片手でたやすく扱う周囲に対し、ヒーヒー言いながら、必死についていった。

「頑張って、結構(筋肉が)ついてきた。鏡で自分の体を見てみたり。ただ、距離は変わんないんです」

スイングも手打ちのイメージをなくし、体全体を使ったものへ。最近は「お会いしたことないんですが」とティーチングプロ新井淳氏のYouTube動画を見て「輪投げみたいに、クラブを体に巻き付けるような」イメージを作る。

18年関西オープン以来4年ぶりの優勝へ。「調子のいい時期を続けたい。ずっとトップ10にいられるように」。波をなくし、機をみて勝負をかける。