今季7戦4勝の西郷真央(20=島津製作所)が、昨年5月のリゾートトラスト・レディース以来、1年ぶりに予選落ちした。104位から出て2バーディー、4ボギー、1ダブルボギーの76と4つ落として回り、通算11オーバー、155。今季は前週まで全てトップ10内だったが、程遠い99位に終わった。ツアー史上ダントツの連続アンダーパー試合数も「30」でストップ。ツアーの顔が涙で出直しを誓った。

西郷は目を真っ赤にしていた。今季初の予選落ちが確実な11オーバーでホールアウト後、気持ちの整理がつかず、すぐにロッカールームに引き揚げていた。ひとしきり泣き、約40分後、報道陣の前に姿を見せた。

「ふがいない1日だったかなと思います」

開口一番、口調は冷静だった。1年前から優勝した前週まで、30試合連続で予選通過。しかも全てアンダーパーという、ツアー記録を更新中だった。それが今大会は、総パット数が第1ラウンド(R)で35と乱れた。この日は29と持ち直したが、パーオン率は前日を下回る44・4%だった。

「今日(第2R)はショットも、なかなか思うようにいかなかった。パッティングはもちろん、ずっとかみ合っていない。伸ばせなくてすごい残念」

苦悩を物語る象徴的なホールは6番パー3だった。ティーショットをグリーン右奥のラフに打ち込んだ。第2打のアプローチは2メートル届かず、パーパットは左に切れた。右手で顔を覆い、動けなくなった。緊張の糸が切れたように、7番パー4は第3打のアプローチが8メートルもオーバー。連続ボギーで大台の通算10オーバーとし、この時点で112位。出場120人で、定位置の上位10人とは正反対の下位10人にまで後退した。

グリーンの速さを示すスティンプメーターは第1Rが13 1/4フィートで、第2Rは13 3/4フィートと、ともに今季初めて13フィートを超えた。“超高速”グリーンは全選手を苦しめたが、首痛から復帰2戦目の西郷は、特に微妙な感覚のズレに苦しめられた。

「ミスパットをしている感覚はないけど、読みとタッチを2日間ずっと合わせられなかった」

師匠の「ジャンボ」こと尾崎将司に課された現在の目標は、国内メジャー制覇。開幕前に「どれだけ早く課題をクリアできるか」「勝ちたい」と話し、今大会は珍しく結果にこだわった。難コースに苦しんだが、出直しを誓った。

「しっかりと休んで、悪かったところは反省して気持ちを切り替えたい」

昨季7度の2位を経験し、今季開幕戦で初優勝。悔しい敗戦の度、西郷は一回り大きくなって帰ってくる。【高田文太】