プロ2年目の大西魁斗(23=ZOZO)がツアー初勝利へ前進した。首位タイから出ると、5バーディー、2ボギーの67と伸ばし、通算8アンダーの132で単独トップに立った。米のIMGアカデミーで英才教育を受け、大学卒業後国内に戻りプロとなった「逆輸入ゴルファー」にビッグチャンスが訪れた。

ディフェンディングチャンピオンの星野陸也、2週連続優勝を目指す稲森佑貴らが2打差の2位につけている。

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米国仕込みのゴルフで、大西が2日間首位をキープした。第1日に7バーディー、2ボギーの65で首位に立つと、この日も雨の中スコアを伸ばした。

スタートの10番から連続バーディー。前半で4バーディー、ノーボギーと波に乗った。後半の3番で5つめのバーディーを奪い、一時は10アンダーと2位に6打差をつける独り旅。その後2つ落としたが2位に2打差をつけ首位を守った。

「スコア的には良くて、難しいホールもねらったところに打てて、グリーンに乗っけることができた。(スタートから)2連続バーディーで(第1日からの)流れをキープできた」と満足そうに話した。

9歳で練習環境を求め米国に渡り、13歳でテニスの錦織も学んだIMGアカデミーで英才教育を受けた。大学も南カリフォルニア大学に進学し、全米アマにも出場するなどプロ予備軍の実力者たちを相手に腕を磨いた。帰国後の21年にプロ転向。昨年はレギュラーツアー6試合で予選落ちは1度。今季も下部ツアーを主戦場に、推薦出場でレギュラーツアーに出場。先月のISPSハンダ欧州・日本トーナメントでは優勝争いに加わり4位に入った。

米ツアーへの参戦を目指し、同ツアーにも詳しい内藤雄士コーチに師事。同コーチの教えで、ティーショットのスイング前にグリップを見つめ、集中するルーティーンを今年から取り入れ、ショットが安定した。「自分ですべて考えるとつらくなるので、スイングは内藤コーチに任せています」。大学時代から教わるメンタルコーチから、プレー中のメンタル面の強化にも取り組んでいる。

父親は、NHKの英語講座で有名な大西泰斗氏で、自身も英語はペラペラ。米国で活躍する土台はすでに出来上がっている。「日本ツアーで優勝して、早く米国に行きたい」。夢をかなえるビッグチャンスが巡ってきた。【桝田朗】

◆大西魁斗(おおにし・かいと)1998年(平10)10月13日生まれ、愛知県出身。5歳でゴルフを始め、9歳で渡米。13歳でIMGアカデミー入り。南カリフォルニア大学時代はオールアメリカンにも選ばれ、全米ジュニア、全米アマに出場。米国滞在中は丸山茂樹の指導を受ける。21年にプロ転向。昨年は下部ツアーで賞金ランク15位。177センチ、70キロ。

ダイヤモンド・カップ第2日、全選手スコア―>

▽6位からスタートも1ボギーとスコアを落とし15位に後退したアマの中島 大きなセーブも5回ぐらいあった。耐えられた面ではよしとしないといけないが、情けなくて悔しいです。

▽34位から出て3バーディー、ノーボギーの67で回り、7位に浮上した石川 4日間72ホールを終えて初めて順位が確定するので、今の順位は関係ない。最終日の後半になって、初めて1打でどれくらい順位が変わってくるかには興味がある。