時松隆光(28=ロピア)がプロ初のホールインワンで4年ぶりのツアー4勝目へ王手をかけた。7位から出て1イーグル、4バーディー、1ダブルボギーの66で回り、通算7アンダーの203で首位に浮上した。昨年まで2年間務めた選手会長の重圧から解放され、自分のゴルフが戻ってきた。大西魁斗、桂川有人、B・キャンベルと4人が首位に並んだ。

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ホールインワンが決まった瞬間、時松は両手でガッツポーズして、その場をクルクル回り出した。ギャラリーの大歓声を一身に浴びて、シャイな男が精いっぱいに喜びを表現した。

4番パー3。165ヤードを8番アイアンで狙った。「打った瞬間、寄ってるだろうなと。やっぱりうれしかったです。試合ではプロになって初めて。歓声も今年一でした」。

このビッグプレーを皮切りに、前半だけで5つ伸ばした。後半も11番パー4でバーディーを取り、9アンダーとして首位に浮上した。しかし、終盤の17番で落とし穴が。ティーショットがコース左の木に当たり、第2打も大きく外れダブルボギー。「調子に乗ってた。ホールインワンでちょっと浮かれて。調子に乗るなということがよく分かった」。その後、上位もスコアを落とし、最終的に首位で終え、自分を戒めた。

コロナ禍でゴルフ界が揺れた20~21年に選手会長を務めた。試合開催に向け、選手会やツアー機構との電話会議で1日3時間。選手と主催者の話を聞き、来日できない外国人選手らの補償問題など、懸案は山積。「きつかった」とゴルフどころではなかった。

18年5月の関西オープンで3勝目を挙げてから、優勝から遠ざかった。今年になってようやく練習時間も取れるようになり、自分のゴルフを取り戻す練習を続けている。「自分のやりたいゴルフに近づいてきている」という。4年ぶりの優勝へ向け「自分のやりたいゴルフがやれるか。そこが優勝争いに絡めるかだと思う」と決意を口にした。【桝田朗】

【全選手スコア】ダイヤモンド・カップ第3日ー>