日大3年の出利葉(いでりは)太一郎(21=筑紫ケ丘)が、ミラクル逆転で2年ぶり3度目の優勝を飾った。2位に6打差首位からスタートも一時は2位転落。だが最終18番でバーディー、2位田崎春樹のボギーで逆転勝ち。通算7アンダーの273だった。リベンジを狙う昨年2位の日本アマ初制覇へ弾みをつけた。日本アマ出場有資格者の出利葉、古川創大(18=フェニックス)を含む上位11人が、日本アマ(6月28日開幕、広島CC・八本松コース)出場権を得た。

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出利葉が、大逆転だ。最終18番。正面に木がある斜面からの2打目を、ピン下2メートルにつけるスーパーショット。ボギーで通算6アンダーと後退した田崎をバーディーで上回った。うれしさのあまり、ガッツポーズが飛び出した。

この日はショットが好調だったが、2バーディー、5ボギーと苦戦。2位と6打差スタートから16番パー3で逆転され、逆に1打差を追う展開。だが「流れは彼(田崎)に行ったと感じたが、最後まで何があるか分からない気持ちでプレーした」と諦めなかった。

堅実なプレーでパーを量産するよりも「9バーディー、9ボギーのゴルフの方がおもしろい。小さくまとまりたくない」という攻めのゴルフが信条だ。

初日こそボギー先行で1オーバーと出遅れたが、5月の国内男子ツアー、ダイヤモンド・カップで24位に輝いた自信を胸に2日目で首位。プロにも負けない平均飛距離300ヤードのドライバーに加え、4月のABEMAツアー「NOvil Cup」後、解説の谷原秀人から受けたパッティング指導も勝利につなげた。

日本アマへ「昨年2位でリベンジしたい。優勝する目標へ今から頑張りたい」と宣言した。【菊川光一】

◆出利葉太一郎(いでりは・たいちろう)2001年(平13)5月12日、福岡市生まれ。ゴルフは片江小2年から。片江中-沖学園高-日大。優勝歴は高1で九州ジュニア、高2で九州新人戦など。国内男子ツアーのKBCオーガスタには4度出場。最高順位は19年の24位。得意クラブはウエッジ、パター。ドライバー平均飛距離300ヤード。180センチ、86キロ。血液型B。

○…東北福祉大1年の田崎春樹(19=大村湾)は、福岡・沖学園高の「先輩後輩対決」に敗れ、泣きじゃくった。16番で首位と6打差を、人生で初めてひっくり返した。だが、1打リードの最終18番で、2打目のグリーンオーバーから寄せきれず痛恨のボギー。「あと1歩が遠かったです」とうなだれた。昨年大会でプレーオフの末、優勝を逃した悔しさも晴らせなかった。