ツアー通算6勝の小祝さくら(24=ニトリ)が今季初優勝に王手をかけた。首位に1打差の2位で出て、9バーディー、1ボギーの64で回り、通算16アンダー、200で単独首位に浮上した。6月2日開幕の全米女子オープンに向けて30日に渡米予定。通算7勝目で弾みをつけたい。サイ・ペイインが首位に2打差の2位。ツアールーキーの桑木志帆が5打差の3位につけた。

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小祝は1番パー5で4メートルのパットを沈めてバーディー発進。前半で3つスコアを伸ばした。後半に入って勢いはさらに加速。2連続バーディー2回を含む6バーディー、1ボギーと5つ伸ばした。95年入江由香、15年福嶋浩子が記録した大会コースレコードに並ぶ猛チャージだった。

「たくさんバーディーを取ることができた1日でした」。好スコアの要因を「ライン読みと(パットの)タッチが合っていた」とパットの好調と強調した。「後半はやっぱり左に引っ掛けて、イメージする球をあまり打てなかった」とショットで反省点も。最終日に向けて「いいパットを今日みたいな感じで入れたい。あとはドライバーを修正して明日を迎えたい」と課題も挙げた。

第2ラウンド(R)は悪天候による日没サスペンデッドで、約半数がホールアウトできず、この日午前に完了。一方、小祝は前日までに第2Rを終えていた。体力を温存し、第3ラウンドだけに集中。「天候だからそういうこともありますが、ラッキーでした」。

今大会の目標に「毎日4アンダー」を挙げた。第1Rは1つ足りなかったが、第2、3Rでは大幅に目標を上回り、単独首位で最終日を迎える。目標スコアを「5アンダーです」とした。「あとは他の選手次第。5アンダー出して優勝できなかったら、しょうがないかな。自分のゴルフをしっかりしていきたい」。全米女子オープンが来週末に控える。最終日の翌日に渡米する強行軍も感じさせない。ほんわかとしたいつもの口調で今季初Vへ意気込んだ。【近藤由美子】

◆今年の全米女子オープン出場の日本勢 米ツアーが主戦場の畑岡奈紗、渋野日向子、古江彩佳、笹生優花の4人と、国内が主戦場の小祝や西郷真央、上田桃子、西村優菜らプロアマ計11人、合わせて15人が出場予定。今季のメジャー第2戦の前週に、試合に出場しているのは国内組は小祝、米国組は古江しかいない。

○…昨年6月、プロテストに合格したツアールーキーの桑木が1イーグル、5バーディー、3ボギーの68で回り、首位に5打差の3位につけた。1番パー5でイーグル発進。「緊張もいい感じにほぐれた。絶対に伸ばし合いだと思ったので、たくさんバーディーを取る目標を立てていきました」。ツアーで初めて最終日最終組を回る。「優勝を意識したら緊張して硬くなる。ここまで来たら頑張りたいですが、とりあえずトップ10に入るように頑張りたい」と意気込んだ。

○…黄金世代の河本が1イーグル、4バーディー、ボギーなしの66で回り、4位に浮上した。「100%の気持ちですべてのショットが打てた」。米ツアーに挑戦も、環境へ適応できなかったことなどを理由に、昨年5月から国内ツアーに復帰。ショットの不調に苦しんでいたが、弟の河本力の助言に支えられた。「自分のゴルフを取り戻し、かつ成長して確立できている」と感謝。約3年ぶりVに向け「どん底を経験したので、上がるしかない。失うものはない」と意気込んだ。