渋野日向子(23=サントリー)が、体調不良のため第3ラウンド開始前に棄権した。

渋野の棄権は、日米ツアーを通じて初。第2ラウンドを終えて通算3オーバーの54位で決勝ラウンドに進出し、この日も当初は第3ラウンドに臨むため会場入りしていた。

だが練習場で打撃練習を始めて間もなく、関係者に向けて険しい表情で首を横に振ると、目のあたりを右手で抑えて練習をやめた。その後、氷のうで額を冷やし、日傘を差して練習場を後にし、スタートの約30分前に棄権を決めた。

今大会は第1、2ラウンドともに、ラウンド後に体調不良を訴えて取材対応していなかった。

車に乗り込んで会場を後にした渋野に代わり、マネジャーが「数日前から体調不良だったのですけど、全米女子プロ選手権、決勝ラウンドを棄権という判断になりました。世界最高峰のプレーヤーが集まる舞台で最後までパフォーマンスできなかったことがとても悔しいです。ますは体調を整えて、皆さんの前で元気なプレーができるようにゆっくりと休みたいと思います」との、本人のコメントを発表した。

担当マネジャーは「体調が悪かったのが火曜日(21日)、水曜日(22日)くらいからで、無理ないようにという感じでやっていたんですけど、チームとしてこういう判断になったこと、ファンの皆さんにも申し訳ないです。本人のこれからを一番に考えて、チームとして決めました」と、説明した。

マネジャーによると、頭痛や熱などの症状が出ており、疲労感も残っていた様子だという。棄権直後の時点では、病院には行っておらず、熱中症かどうかなどは不明。この日の朝の様子として「だいぶ収まってきたけど、出てみないと分からないということで、しばらく家にいた」と話し、通常よりも遅く会場入り。その後「練習して、何球か打って、これはちょっとダメだなということで、すぐに引き揚げました」と続けた。

今大会で5大メジャーのうち、今季の米本土でのメジャー3試合は終わる。残るメジャー2試合はフランス、英国という欧州開催。次のメジャー、エビアン選手権(7月21日開幕、フランス)は約1カ月後で、その間、米女子ツアーは通常のストロークプレーによる試合の予定はない。それだけに、少なくともエビアン選手権まで、当面は休養に充てることができる。その間の滞在先は「未定」。渋野と同行するキャディー、スタッフらに、同様の症状は出ていないという。