中野麟太朗(18=早大1年)が通算3アンダー、13位で最終日を迎える。この日は3バーディー、3ボギーのパープレー。「12番までに2つ伸ばしていたんですけど、15、17番でもったいないボギーを打ってしまって」とこぼしつつ「でもイーブンは及第点ですね」と自分を納得させた。

明大中野高3年だった昨年は全国高校春季大会で2位になるなどジュニアのトップだった。しかし、系列の明大や東北福祉大、日大、大阪学院大などの強豪でなく、早大に進んだ。同大学卒で名の知れたプロと言えば、日本女子アマ、日本女子学生などを制して01年にプロ転向した中島真弓、07年プロ転向した実弟・中島徹ら数人しかいない。

「よく言われます、何で明治じゃないのって。そこは申し訳なさがあります」。目標はツアープロになって、世界で戦うこと。「経済、商学部とかに入っても…、学ぶものはゴルフにつなげられるものを、と思った」。早大には他の大学にない「スポーツ科学部」があった。それが決め手だった。

184センチの長身。高校2年で66キロだった体重はトレーニングを重ねて85キロまで増えた。ドライバーのキャリーは285~290ヤードだが「振れば、もっと飛ぶのはわかっていますが、曲がります」と言い、将来の大型プレーヤーを期待させるポテンシャルがある。

偶然にも17日終了の日本女子アマで早大スポーツ科学部3年の幸田彩里が、4位になった。「そうですね。もちろん知ってます」。首位と9打差で迎える最終日。「もちろん優勝はしたいですけど、それは積み重ねて結果ですからね。勝てなくても“自分には何が必要なのか”を知りたいです」。現実的にはトップ10フィニッシュを目指し、中野は自分が信じた道を歩む。