4位から出た小野祐夢(ひろむ、24=ニチコン)が、レギュラーツアーでは初の首位に立ち、第3日は最終組でラウンドすることになった。4バーディー、1ボギーの69と3つ伸ばして回り、通算8アンダー、136。ツアー通算2勝で00年度生まれの吉田優利、同じ97年度生まれで仲の良い大出瑞月と並んだ。

前日第1ラウンドの67に続き、2日連続の60台に「まず2日間、しっかりとアンダーパーで回れたのがうれしい。(目標は)もちろん優勝を目指して。リランキングとか、気になることもありますけど、1番の目標は優勝なので、それを見ながら頑張りたいです」と、目を輝かせながら話した。

インコースの前半は、14番パー3でバーディーを先行させると、17番パー4では10メートル超のパットを沈めて2つ目のバーディーを奪った。直後の18番パー4では、バンカーからの第3打を寄せられず、6メートルのシビアなパーパットが残ったが、鮮やかにピンチを切り抜けた。会心のパットが続いたが「ショートしないようにだけ意識しました。18番は『2パットでいいよ』と、キャディーさんに言われたのが入ってラッキーという感じ」と、声を弾ませて振り返った。

昨季は下部のステップアップ・ツアーが主戦場だったが、そこで2勝を挙げた。下部ツアーとはいえ、プロとなって初めて「優勝」を経験。「ステップではありますけど、優勝という経験ができたのは大きい」と、自信が出てきた。

1学年下は畑岡奈紗や渋野日向子、勝みなみ、小祝さくら、原英莉花…。多士済々な「黄金世代」だ。自身は5年かけて今年3月に、通信制の早大人間科学部を卒業というキャリアを持つ。だが遠回りしたとは思わない。今年1月に提出した卒業論文のテーマは「アマチュアとプロの心理的柔軟性」。生活がかかるプロの方が、ネガティブ思考に陥りやすいと結論づけると同時に、自身はアマチュア時代の思い切りの良さを取り戻すよう努めてきた。

この日の17、18番のロングパット2連発も「オーバーする方がチャンスはある」と、思い切りよく打った結果だ。下り傾斜に乗り、大きくオーバーすることを恐れて、そっとタッチを合わせてカップに届かなければチャンスはない。何よりも精神面の成長が、今大会の好調を支えていることを、小野自身がうすうす気づき始めている様子だった。

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