ミレニアム世代の後藤未有(21=やまやコミュニケーションズ)がツアー自己ベストタイの6アンダー、66。午前組終了時点で首位タイ発進を決めた。

「あぶないところがなく、安定していた。特に100ヤード以内がさえていて、OKバーディーが多くて、しびれるパットもなく余裕を持ってできました」

ボギーは前半15番の1個だけだ。10、14、6番は60~70ヤードを58度のウエッジでベタピンにつけ、11番パー3(172ヤード)も8番アイアンで1メートル。切れるショットで7バーディーを量産した。

V字回復だ。前週までは4戦連続予選落ち。ショット、アプローチ、パットと全体的にダメ。開幕から3戦連続予選落ちもしていたが、4~5月にはフジサンケイ・レディース3位を筆頭に4度のトップ10があった。「上位でやれていた時期があったので、今回はキツかったです」。コースを去る車で泣いたり、とことん落ち込んだ。

イメージ、妄想で復活した。「やっても悪いイメージしか残らないなら、休んでみよう」。本番までの練習を1日約5時間から2時間へ。余った時間は体を休め、スマホで動画をチェック。「PGAツアーのスーパープレー集」でローリー・マキロイら一流男子プロのショットを楽しむ。「林の中からのとかは、なし。いい所からのやつを。シンプルに自分がそれをしていることを想像して」。脳内で構築した弾道、リズムがこの日のプレーに反映された。

プロテストは初挑戦の19年に失敗。同年QTでプロ転向後、昨年6月に、コロナ禍で実施が遅れた20年度テストに6位で合格した。同世代の古江彩佳、西村優菜や、プロテスト同期でトップ合格の佐久間朱莉ら身近の存在が気になる。

「みんなが活躍すると“やばい”と思ったりします。ガツガツ、みんなの先陣を切るタイプになっていきたい」。遅れてきたミレニアム世代が、巻き返しを期して飛び出した。