ママさんプロになった横峯さくら(36=エプソン)が、国内ツアー復帰後最高の2位に入った。9位から出て6バーディー、ノーボギーの66をマーク。通算8アンダー、208で優勝したイ・ミニョン(韓国)に1打及ばなかった。昨年、米ツアーから撤退し8年ぶり国内復帰を宣言。2月に出産し、再びトップ戦線で戦えることを証明した。イ・ミニョンが9アンダーで3年ぶり6勝目を挙げた。

    ◇    ◇    ◇

ヤーデージブックの表紙に1歳になる長男の写真を貼り付け、「ママがんばれ」の吹き出しに勇気をもらった。前半5つのバーディーで首位に急浮上すると、後半は一転パーの連続。優勝したイ・ミニョンに一時は抜かれたが、16番パー4で6メートルのバーディーパットを決めて追いつく。最後は振り切られたが、充実の最終日だった。

「風の中でのビッグスコアは自信になった。あと1歩でしたけど、本当にこの試合をきっかけに、いいプレーができるように頑張りたい」と、晴れやかな表情で話した。

8年を過ごした米ツアーから撤退を決め、2月には長男を出産。「息子にかっこいい姿を見せたい」と国内ツアー復帰を宣言し、レギュラーツアーに出るための予選会にも参加した。ここ最近は7試合連続予選落ちも経験。そんな中で左に向きすぎていたアドレスを修正し、往年のプレーが戻ってきた。

ゴルフの目標はあと7勝に迫った永久シード獲得。36歳、ママになっても、戦える実力をこの大会で見せつけた。「優勝争いをしたという感じではない。これからしっかり優勝争いできるようにしたい」と決意を口にした。【桝田朗】

○…優勝したイ・ミニョンは3年ぶりの勝利をかみしめた。コロナ禍で、韓国からいつも付いてもらっているコーチを呼べず、たった1人での戦いで勝てず「ゴルフを辞めようかと思った」という。入国制限が解け、コーチが来日したことでショットやパターの感覚を取り戻した。17年に日本に参戦し6勝目。「今までできていないメジャー優勝がしたい」と目標を口にした。

○…18歳の最年少プロ、桜井心那が後半の猛追で優勝へあと1歩に迫った。序盤の2番でダボをたたき「そこからちょっとほっとして緊張がなくなった」と、6個のバーディー。最終18番パー5では、入れればプレーオフの2メートルのバーディーパットを外し、しゃがみ込んだ。「本当はここまでできると思っていなかった。自分でもビックリ。運もあったが、力がついてきてると自信になった」と、レギュラーツアー2戦目で2位に手応えを口にした。

▽首位から出て71と伸ばせず、6度目の完全優勝を逃した鈴木 ずっとアンダーって(開幕戦の)ダイキンぶりかな? そこはすごく良かったと思うし、あの中で最後まであきらめずにできたというのは、ほめてあげたいです。

▽首位から出たが、2つしか伸ばせず、7アンダーで4位に終わった上田 こういう日もあるし、いい日もある。短いパッティングを外した2つのミスが悔やまれる。今日1日、前をキャッチできなかったので、メンタル的にも焦りがあったのかな。

【写真特集】パットを外ししゃがむ18歳桜井心那、思わず手が出る吉田優利ほか/北海道meijiカップ最終日