初出場の馬場咲希(17=日本ウェルネス高2年)が、21歳のモネ・チャン(カナダ)に11アンド9の大差で勝利し、1985年の服部道子以来37年ぶり2人目の日本勢優勝を果たした。

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大きな体だけではなく、物おじしない性格も、馬場のスケールの大きさを物語る。メジャー初出場で予選を通過した、6月の全米女子オープン前、日米の人気選手に接触した。開幕2日前、練習ラウンドを一緒に回ったのは渋野日向子。同大会の練習ラウンドは、およそ10分間隔で次々とスタートする。各選手は自分の好きな時間や、仲の良い選手と同じ時間に予約するシステムで、1組最大4人。渋野の名を見た馬場は「あと1人、空きがあったので名前を入れちゃいました」と、メジャー優勝経験者の練習に目を凝らした。

練習ラウンド中は邪魔しないよう、ほとんど話しかけなかった。ラウンド後に記念撮影に成功。馬場は「最後に『ご飯を頑張って食べようね』と言われました。細いから」と、笑いながらやりとりを明かした。

さらにその前には、東京五輪金メダリストで憧れのネリー・コルダ(米国)との記念撮影にも成功していた。N・コルダは腕に見つかった血栓除去手術からの復帰戦で、さすがの馬場も「話しかけたら悪いかなと思った」という。だが「思い切って写真をお願いしたら『もちろん』と笑って言ってくれて。かっこよかった~。ヤバい!」と、興奮気味に明かした。N・コルダはもちろん、渋野とも面識はなかった。それでも迷ったら攻める。度胸の良さも、生粋のものだ。【高田文太】