プロデビュー戦の中島啓太(22=日体大4年)が3アンダーの69、首位と4打差19位でスタートした。ノーボギーのデビューはさすが元世界アマランク1位だが、完璧にほど遠く…。「ボールが揺れて見えた」という“迷言”が飛び出す緊張の連続だった。

スタート1番パー4。予定通り、刻む予定で手にした4番アイアンでシャンク気味の球が出た。「むちゃくちゃ緊張しました。あれはダフりかけて…。バックスイングでは、ボールが揺れて見えました」。コースメモを見る手も震えた。

元来がポーカーフェースだけに見た目はいつも通りでも、内実は違った。前夜は午後10時半に寝て、午前2時に目が覚めた。その後は寝て起きての連続…。

「マスターズの時は水の中にいるような感じ。全米、全英はギャラリーが多くて、それにのまれないよう必死でした。でも、今日はまた違った緊張で」

前半の2、5、6、7番はドライバーで攻める予定だったが「体のどこに体重がかかっているのかわからずに」と作戦変更して刻んだ。

平静を取り戻したのは、終盤17番パー3。実測136ヤードと短く、ピッチングウエッジを持った。

「フラットなティーエリアなんで“フェアウエーからアイアンを打っている”とイメージして」

7年前の15年11月HEIWA・PGM選手権、中学3年のツアーデビューは「ワクワク」だけだったのに、プロデビューは勝手が違った。

初日の順位はまずまずだ。「今日が一番悪い日になるよう、残りを頑張ります」。ブルーを基調にしたウエアを「パナソニックカラーで?」と突っ込まれると「…あ、いや…でも、そうですね。パナソニックさんと日体大のカラーでデビューってことで」。笑顔で“プロデビュー記念日”を締めくくった。