史上最年少で最も小柄な年間女王・山下美夢有(21=加賀電子)が6アンダー、66で首位スタートを切った。今大会通算12アンダーで到達する19年申ジエ(韓国)に次ぐ史上2人目、日本人初の「平均ストローク70未満」へ、大きなアドバンテージを手にした。

最終18番で下り4メートルのパーパットを沈め、最大の危機を乗り越えた。山下は「ボギーかなと思って。運良く入ってくれた」と笑う。ノーボギーで6アンダー。「ティーショットがすごく安定していた」とほぼフェアウエーをキープし、チャンスを量産した。手応え十分のビッグスコアだ。

383ヤードの14番パー4で、絶対的な自信を証明した。フェアウエー中央に松林のエリアがあり、ドライバーだと届いたり、裏についてトラブルになりがちで、多くの選手は刻む。しかし、山下は迷わずドライバー。右に打ち出し、ややドローのかかったコントロールショットで松林と右ラフの間、約15ヤード幅のフェアウエーをとらえた。残り127ヤードを9番アイアンで1メートルへ。会心の4連続バーディーを決めた。

今季の部門別ランクでドライバー平均飛距離236・33ヤードで48位と平凡だが、フェアウエーキープ率は77・2665%の5位。2つのランクで算出するトータル・ドライビングは6位という“そこそこ飛んでほぼ曲がらないドライバー”が、パーオン率2位(75・1603%)を支え、スコアメークを楽にする。

残り3日、あと6つスコアを伸ばせば“大台”に届く。「今日は風がなかったので、思い通りのショットが打てたけど、風が出たら、パーオンも難しいコース。グリーンを外した時のショートゲームが大事になると思います」。応援に駆けつけた両親と妹が見守る前で、気を抜くことなく、5月サロンパスカップに続く国内メジャー年間2勝、そして日本人初の快挙を狙っていく。

原英莉花と抱き合う渋野日向子 ストレッチする古江彩佳ら/女子プロ第1日写真特集1