今季2勝目に挑む石川遼(31=CASIO)は、12位発進となった。5バーディー、3ボギーの68で回り、2アンダー。5アンダーで3人が並んだ稲森佑貴ら首位と3打差で、混戦の中で逆転優勝を十分狙える位置につけた。

今大会の第1打、1番パー4のティーショットは、大きく左へ、隣の10番ホールのフェアウエーまで曲げた。第2打は高い傾斜を越えて、1番のフェアウエーまで戻したが、第3打はピン手前8メートルまでしか寄せられず、ボギー発進となった。それでも4番パー4で4メートルのパットを沈めてガッツポーズを決めるなど、粘り強くパーを拾い続けた。

すると6番パー5で、最初のバーディーを奪った。下り傾斜の右ラフから、第3打を2メートルに寄せて伸ばした。さらに7番パー4は、フェアウエーからの第2打を2メートルにつけて連続バーディー。9番パー4も、第2打を2メートルにつけて3つ目のバーディー。2つ伸ばして折り返した。

後半はボギーが2つ先行し、一時はイーブンパーに戻ったが、終盤の16、17番で連続バーディーを奪った。難関の名物ホール、18番パー3では、ティーショットを左やや手前の4メートルへ。上りのバーディーパットを残すチャンスにつけたが、わずかにカップに蹴られ、しゃがみ込んで苦笑いを浮かべた。ホールアウト後は「上りの4メートルぐらいの真っすぐに近いラインだったので、入る可能性はあるかなと思って打ったし、すごくいいパットだったので『悔いはなし』です」と笑顔で振り返った。

乱れた1番のティーショットをはじめ、この日のフェアウエーキープ率は、30人中21位の50%にとどまった。「ショットの感触はあまり良くない。何とか集中を切らさずにゴルフをやるしかないけど、それはできたと思う。今日の自分の状態の中で、しっかりとゴルフができたと思います。なかなか、これ以上、いいスコアを望めなかったかなという状態ではあった」と、納得の表情で話した。

4番のパーセーブでガッツポーズをつくったことには「気持ちだけでやっていたような感じです(笑い)」と、気合が入っていたと打ち明けた。「ああいう難しいパー4で、ティーショットが(右)ラフに入って、セカンド(ショット)はショートして、アプローチも寄らなくて。3つミスが続いても、気持ちを切らさずにできた。早くも今日で1番気合を入れたパーパットでした(笑い)。あれは、今日のスコア(68)で上がれた大きな部分。2オン2パットの4と、ああいうふうに3回ミスが続いても4。同じにできる可能性がパッティングにはある。最後まであきらめずにやったのが、結果につながってくれた感じです」。上昇ムードにつながった、カギを握ったホールとして挙げた。

「最後、16、17番で(バーディーを)取れて、最後に(難関の18番を)パーでいけたというのは、非常にいい上がり方」。残る3日間に向けて、勢いをつける終盤のプレーには、手応えも感じている様子だった。「すごく好きな大会ですし、グリーン上もすごく楽しい。最終日に優勝争いに入っていけるように、明日(第2ラウンド)、あさって(第3ラウンド)と、必死でやりたいなと思います」。19年以来の今大会3勝目へと、気持ちも高まってきた。