国内女子ツアー通算7勝の勝みなみ(24=明治安田生命)が、来季の米女子ツアーで、ほとんどの試合に出場できる権利を勝ち取った。11位から出て6バーディー、ボギーなしの66と6つ伸ばし、8ラウンド通算24アンダー、550。29アンダーで首位のユ・ヘラン(韓国)と5打差5位で、2週間に及ぶ長丁場を通過した。出場資格が得られる45位以内、多くの試合に出場できる20位以内という、両ボーダーラインを大幅に上回った。西村優菜は15アンダーで24位、識西諭里は4オーバーで75位だった。

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国内最高峰、日本女子オープン2連覇中で、かつての天才少女が、満を持して世界最高峰に挑むことになった。明暗が分かれる最終ラウンドを、勝は8日間のベストに並ぶ66で回った。来季の出場資格獲得を示すツアーメンバーの証書を手に、満面の笑みを見せた。「まさか、こんな上位に行くなんて思ってもいないので、ちょっとビックリ。でも、これが今、自分が精いっぱいやった結果。まだまだ上を目指せるなとも思える順位」。持ち前の貪欲さと向上心は衰え知らずだ。

1番パー4で、難しい下り3メートルのパットを決めてバーディー発進し、勢いに乗った。好調のショットは、飛距離で同組の大柄な外国人選手に引けを取らず、正確性ははるかに上回った。5番パー4の第2打、ともにパー5の7、9番の第3打を、全て1・5メートルにつけてバーディー。4つ伸ばして折り返し、後半も2つ伸ばした。18番パー4も、果敢に攻めてバーディーパットが2メートルもオーバー。それでもボギーなしで回った。

史上最年少の15歳で国内ツアーを制し、98年度生まれ「黄金世代」の先陣を切った逸材は、24歳の今も度胸は据わったままだ。緊張感について問われると「全然。いつも通り」と笑い飛ばした。むしろ「他の2人のプレーや表情を見て、やっぱり緊張しているんだなと感じた」と、同組選手の表情を見渡す余裕さえあった。先に米国に渡った同い年の渋野に「かっちゃんも早く米国に来なよ」と誘われていたが、1年遅れて乗り込む。ただ遠回りしたとは思っていない。「ここ何年かトレーニングした結果が8日間のゴルフに出た。来年、アメリカで活躍できるように頑張ります!」。日本の元気印が、海の向こうから大暴れを約束した。

○…西村は悔し涙が止まらない24位だった。22位から出て1バーディー、1ボギーの72と伸ばせず、通算15アンダー。来季の出場資格こそ獲得したが、多くの試合に出場できる20位以内には2打届かなかった。ホールアウト後、インタビューに応じようとしたが両手で顔を覆って号泣。「悔しいです」と絞り出した。「流れをつかめず、あっという間に終わってしまった」と、涙を流したまま話した。出場可能な試合数は限定的となる見込み。日米どちらを主戦場とするか、米国のレギュラー、下部両ツアーを行き来するのかなど、来季の方向性は「今は考えられない。強くなりたい」と、涙のまま話すにとどめた。