昨年の全米女子アマチュア選手権を制した馬場咲希(17=東京・代々木高2年)が4位をキープし、史上8人目のアマチュアVへ望みをつないだ。3バーディー、1ボギーの70で回り、通算8アンダー、136で、首位に5打差で最終ラウンドを迎える。上田桃子が13アンダーで単独首位。4打差の2位に青木瀬令奈と稲見萌寧の2人がつけている。今季国内ツアー初戦の西郷真央は1オーバー、63位で予選落ちした。

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馬場は苦しい展開が続いたが、上位に踏みとどまった。16番パー5。2オンに成功し、イーグルパットは2.5メートルオーバー。「これまで外していた距離だったので、すっごいドキドキした」。返しのパットを沈めてバーディーを決めると、両手を胸に当ててホッとした表情を浮かべた。

1番パー5でバーディー発進後はパーセーブが続いた。「バーディーチャンスに何度もつけているのに取れないことが多く、すごくショックだった」。9番パー4で今大会初のボギー。「前半は(パットが)ずっとショートして、気持ち的に打てない感じだった」と手詰まりの状況で後半に入った。

ターニングポイントは15番パー4だった。バーディーパットをオーバーさせた後の4打目。「強気に打とうと切り替えて打った」とパーパットをねじ込む。「吹っ切れた」と流れを変えた。16番に続き17番パー3も4メートルを沈めて連続バーディー。「耐えて頑張っていたら、最後にバーディーが2つきてくれてうれしかった」。一時は10位前後に順位を落とすなど、気持ちが切れてもおかしくなかったが、そこで粘れる精神力は、技術とともに高校生の域を超え、大きな武器となっている。

首位に5打差のV圏内で最終日を迎える。昨年国内ツアーは主催者推薦で8試合に出場し、日本女子オープンの11位が最高位。「(優勝を)意識したい位置ではありますが、考え過ぎず、楽しむだけと言い聞かせてプレーしたい」。19年古江彩佳以来となる史上8人目のアマチュアVへ。無欲の17歳が挑む。【近藤由美子】

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