国内メジャー今季第3戦が開幕し、史上3人目の3週連続優勝が懸かる岩井明愛(21=Honda)は5バーディー、ボギーなしの67をマークし、三ケ島かな、ささきしょうこ、吉田優利とともに首位に立った。これで7ラウンド連続首位となり、史上最長記録に並んだ。今季パーオン率1位だが、この日も18ホール中15ホールでパーオン。メジャー仕様の難コースで、正確なショットはいきた。過去2大会はいずれも完全優勝で、3大会連続となれば史上初の快挙になる。
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もう半月以上、前を行く者がいない。前々週、前週は1度も首位を譲らない完全優勝した岩井ツインズの姉明愛は、女子日本一を争う国内メジャーの大舞台もトップで滑り出した。これで史上最多タイの7ラウンド(R)連続首位となった。
スタートから勢いに乗った。開始の10番パー4、11番パー4で連続バーディー。ともに第2打で約3メートルにつけて難なく沈めた。18番パー5では6メートルをねじ込んでスコアを伸ばす。後半も5番パー5、6番パー4で連続バーディー。「自分の思うようなプレーができている。一打一打、風だったりクラブの番手の選びだったり、ジャッジがしっかりできている。自分が打ちたい球を打てている」と納得の表情を浮かべた。
起伏の激しいコース設計に加え、メジャー仕様の難易度の高いセッティング。それでも勢いが止まらないのは、技術力のたまものだった。バーディー数とともに、パーオン率75・5パーセントは全選手トップ。この日もショットの精度は抜群で、18ホール中15ホールでパーオンに成功した。天気が崩れる前の午前の組で回り、「風の難しさもあまりなかった」と条件も味方に変えた。
4月に初勝利をマークし、前々週から2週連続の完全優勝で3勝を挙げた。7R連続首位は、18年に申ジエが記録した同一年最長記録に並んだ。第2日も首位をキープすれば新記録だが「歴史はつくりたいけど、試合中はそんなこと考えていない。自分のプレーに集中できれば」とあくまで自然体を強調した。
双子の妹千怜も2打差10位と上々の滑り出しを切った。国内メジャーの大舞台で3日目から同じ組になる可能性について話題が及ぶと、姉として「一緒に回りたい」と笑顔。急成長中の21歳の勢いは止まりそうもない。【奥岡幹浩】
◆連続首位メモ いずれも3日間大会を連続で完全優勝していた岩井明はこれで7ラウンド連続首位となり、申ジエが持つ同一年最長記録に並んだ。申ジエは18年9月にゴルフ5レディース(3日制)と日本女子プロ選手権コニカミノルタ杯(4日制)を2大会連続で完全優勝した。
◆パーオン率とは グリーンを狙うショットの正確さを示す数値。パー5なら3打以内、同4なら2打以内、同3なら1打目のショットが対象となる。
◆岩井明愛(いわい・あきえ)2002年(平14)7月5日、埼玉県生まれ。埼玉栄高-武蔵丘短大。双子の妹千怜(ちさと)ともに、父の影響で8歳からゴルフを始める。21年にプロテストに合格し、ツアー本格参戦の22年は、5度トップ10入り。23年4月のKKT杯バンテリンレディースでツアー初優勝を遂げ、史上初の双子姉妹Vを果たす。2大会連続で完全優勝中。身長160センチ。