8打差9位から出た石川遼(32=CASIO)が、1イーグル、7バーディー、1ボギーの62で回り、通算11アンダー199で2打差3位に浮上した。大会記録に1打差と迫るストローク数で今季初の「アレ」を視野に入れた。首位には68で回った中島啓太と、2位から出た蝉川泰果が浮上。金谷拓実は68で3位と石川と並び、逆転を狙う。

悲鳴にも似た大歓声が響き渡った。3番パー4の残り135ヤードの第2打。石川は「スピンを少し抑えて、転がるように」と9番アイアンを振り抜いた。ピン手前10ヤードに着弾した打球は転がり、カップに吸い込まれた。ショットインイーグル。「ピンを狙うようなショットではなかった」と苦笑いも、右拳を力強く握りしめた。

12番パー4でも約20メートルのバーディーパットをねじ込むなどスーパープレーを連発。10年大会の第2ラウンド以来、13年ぶりとなる「62」。大会最少ストロークに1打差と迫る快記録で、今季自身ベストの64を更新した。「完璧に近い内容。90点ぐらいです」と口元を緩めた。

今季は23歳中島、25歳金谷、22歳蝉川ら新進気鋭の若手選手たちが賞金ランクの3位までを占めてきた。今週もリーダーボードの上位に名を連ね続けたのもその3人。そんなホープたちの活躍とは裏腹に、32歳になった元賞金王は苦杯をなめてきた。10月に行われた米ツアー、ZOZOチャンピオンシップは4位と善戦も、今季未勝利、予選落ち5回。前週も決勝ラウンドに進めなかったが、最後の最後まであきらめなかった。

最終戦の今大会は15、19年と頂点に立った「思い入れのある」コース。最終日を前にしっかりと結果を出し、若手3人衆の優勝争いに割って入ってきた。まだまだ世代交代を許すわけにはいかない。「啓太、泰果と並ぶのは、今年できなかったこと」と中島、蝉川との最終日最終組を心待ちにした。

今季初“アレ”を視界に捉えた。「アレってなんでしたっけ? 」と、とぼけるも、「(最終ラウンドの)後半にアレを争えるようなところにいたい」。流行語大賞の年間大賞に選ばれた阪神岡田監督の言葉を引用して好勝負を約束した。【村山玄】