蝉川泰果(22=フリー)が、4バーディー、2ボギーの68で回り、通算15アンダー265で、大会史上最年少優勝を果たした。ともに首位から出た同学年のライバルで賞金王の中島啓太を1打差で振り切り、今季最終戦を制した。

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まさかの重圧を乗り越えた。1打差首位で迎えた16番パー4。蝉川はパーパットを打つ前にリーダーボードを「見ちゃった」。プレー中は集中するためライバルの順位を確認しないようにしている。だが目前に迫った頂点を意識してしまった。結果的に2・5メートルを外して、中島に並ばれた。

同学年で賞金王のライバルに並ばれてからが真骨頂だった。17番パー5はバーディーチャンスにつけると、難しいフックラインを読んで単独首位に立つ。最終18番パー3。第1打はグリーン右手前のラフに外れた。前日の第3ラウンドはダブルボギーをたたいたが「パーかダブルボギーかという覚悟で打った」ショットは、鋭くスピンがかかってピンそば40センチにぴたり。ウイニングパットを沈めると目頭を熱くした。

昨年はアマチュアとして初めてツアー2勝を挙げる活躍。ただプロとして臨んだ今季は2戦目の関西オープン選手権に勝った後は足踏みが続いた。「勝ちきれず自信をなくしかけた」時期もあったが、刺激となったのが同学年で賞金王となった中島の存在。「1年目なのに半端ない。追い付きたい」と奮起した。

賞金ランクも2位で終え、欧州ツアーの出場資格を得た。米ツアーも視野に入れながら目標は「海外で1勝」。憧れの選手は自身の名前の由来にもなるタイガー・ウッズと大学の先輩、松山英樹。「メジャー制覇は自分の夢でもある」と目を輝かせた。【村山玄】

◆蝉川泰果(せみかわ・たいが)2001年(平13)1月11日、兵庫県加東市生まれ。兵庫教育大付中1年の13年に下部ツアー出場。大阪・興国高から東北福祉大。22年10月の日本オープンを制し、95年ぶりのアマ優勝。今年4月の関西オープンでプロ初勝利を挙げた。175センチ、77キロ。