<女子ゴルフ:ミヤギテレビ杯ダンロップオープン>◇最終日◇28日◇宮城・利府GC(6525ヤード、パー72)◇賞金総額6000万円(優勝1080万円)

 上田桃子(22=ソニー)が混戦を制して、今季2勝目を飾った。3打差4位からスタートし、横峯さくら(22)三塚優子(24)と競り合い、12番で1罰打を受けるアクシデントがありながらも69。通算5アンダーの211で優勝した。プレーオフ負けした前週の悔しさを乗り越え、6月のサントリーレディスに続くツアー通算7勝目。10月2日開幕の日本女子オープン(新潟・紫雲GC加治川C)で、国内メジャー初制覇を狙う。横峯は2打差5位でまたも今季初勝利を逃した。

 上田はホールアウトすると、プレーオフに備えてパット練習をしながら、最終組を待っていた。横峯、三塚と1打差で優勝が決まると、同組だった佐伯らと抱き合って大喜び。「先週、本当に悔しい思いをしたので、あの気持ちを忘れずにプレーした」。プレーオフで不動に敗れたマンシングウェア東海クラシック最終日から1週間、悔し涙が満面の笑みに変わった。

 混戦をものにした。1つ前の組から最終組の横峯、三塚に重圧をかけた。前半で首位スタートの横峯に追いつき、11番のバーディーで単独首位に。12番パー4では、30センチのパーパットでアドレスに入ると球が動いてしまい、1罰打でボギーとなる「落とし穴」にも動じない。以前なら集中力を切らしてしまう場面だったが、今回は「ゴルフの神様が我慢しろということだろう」と慌てず、14番でバーディーを奪い返した。そのたくましさに威圧されたかのように、ライバル2人は後退した。

 終盤にミスパットがありながらも、最後まで耐えられたのは、今季米ツアーでもまれたおかげだ。昨年の全米女子オープン覇者C・カーに学んだ練習方法を、今大会で生かした。ティーペグを口にくわえて球を打つ練習。ティーを前歯で挟むようにすることで、奥歯をかみ過ぎることがなくなり、肩に力が入る悪い癖が防げるという。これを続けてショットを立て直した。また全英女子オープンでは、今季限りで引退するソレンスタムに勝負どころでの精神面を学んでいた。

 今季2勝目、日本ツアー7勝目になる。昨年は台風で打ち切られたスタンレーレディスを除くと、4勝すべてが逃げ切りV。今年は一転して、2勝とも逆転で制した。「今回は内容が良くなくても、我慢して勝てたのがうれしい」。新しいVパターンを身に付け、自信はさらに膨らむ。

 次は国内メジャー初制覇を狙って、日本女子オープンに臨む。「1年間の最大の目標。どんな勝ち方でもいいから勝ちたい」。威勢良く優勝宣言が飛び出した。【佐藤智徳】