<女子ゴルフ:伊藤園レディス>◇初日◇14日◇千葉・グレートアイランドC(6594ヤード、パー72)◇賞金総額7000万円(優勝1260万円)

 来季の賞金シードをめぐる争いが佳境に入ってきた。現在のボーダーラインは賞金ランク52位。ランク53位で今大会ホステスプロの日下部智子(28=伊藤園)が、3アンダー69で7位と好発進した。52位の鬼沢信子(39)は49位と苦しいスタート。ボーダーライン上の選手は、残り2試合緊張の日々が続く。大山志保(31)が、5連続バーディーを含む8バーディー、ボギーなしの64と自己ベストスコアでトップに立った。

 朝食がのどを通らなかったという。「すごく緊張してしまって」。日下部は、スタート前の自分を振り返って笑った。2、4番で3パットのボギーにする。5番パー5、上から4メートルのバーディーパットを沈めて「ようやく落ち着いたのが自分で分かった」という。

 2つのプレッシャーがかかっていた。1つは所属先伊藤園の大会での「ホステスプロ」としての責任感。もう1つが、来季賞金シード争いだ。「10試合ぐらい前から意識していました。今回は二重のプレッシャーなんですが、耐えられたことで、いい流れになってくると思います」と、少し余裕が生まれた様子だ。

 先週、練習ラウンドを2回こなした準備が、後半3バーディーに結びついた。

 05年、プロアマで2度回った伊藤園の本庄八郎社長から声をかけられて所属となり「先輩ホステスプロ」塩谷育代の後継者としての期待もかかる。昨年は233万円差で、賞金シードを逃した。「初日たたくと、何もかもなくなるところでした。ホッとしました」とため息をひとつ。「この大会で(シードを)決めてやろう、という感じです。目標は5位以内」。追いかける立場の日下部が、まず先手をとった。【赤坂厚】