<女子ゴルフ:フンドーキンレディース>◇2日目◇14日◇福岡センチュリーGC(6482ヤード、パー72)◇賞金総額8000万円(優勝1440万円)

 佐伯三貴(26=日立アプライアンス)が5バーディー、ノーボギーの5アンダー67で回り、通算6アンダーで朴仁妃(22)と首位に並んだ。「トルネード投法」でメジャーリーグを席巻した元プロ野球選手、野茂英雄氏と同じトレーナーに師事し、野茂流トレで下半身を強化。得意のパットに加え、格段に精度が増したショットを武器に、今季初優勝を狙う。3打差3位には木村敏美(42)ら5人がつけた。

 「トルネード投法」のように大きくねじれた上半身を、下半身がしっかりと支えた。9番パー5。佐伯は残り103ヤード地点で、9番アイアンを振り抜いた。軸のぶれないスイングから放たれたボールは、ピンそば1メートルにピタリ。7番から3連続となるバーディーを奪った。この日ベストスコアの67で回り、首位に浮上した。

 佐伯は「下半身の安定は昨年から強く感じていた」とショット好調の一因を説明した。バランスを崩さず、安定したショットを放つ秘密は「野茂流トレ」。08年から野茂氏と同じ大川達也さんの指導を仰ぐ。野茂氏がトルネード投法安定のため、半球状のバランスディスク上でシャドー投球を行ったのと同じ要領で、不安定なディスク上で素振りを繰り返した。

 「野球選手とは休みが同じなので」と“同門”の西武栗山外野手らと一緒に、毎週月曜日に都内でトレーニングを行ったことも奏功した。「栗山選手はとてもストイック。自分とは違った」。プロ意識を学び、より真剣に肉体改造に取り組んだ。当初は腹筋も3回しかできなかったが、今では大川さんが「下半身が安定した。ショットの後にピタリと止まるね」とたたえるほどになった。

 13日の第1ラウンド後、福岡ヤフードームでソフトバンク対西武を観戦。4回から7回だけだったが、幸運にも栗山外野手の中前打や親しいソフトバンク川崎内野手の三塁打を目撃した。「仲のいい人がみんな打ってくれた。でもそれ以上に、盛り上がっている会場をみて、スポーツの力を再確認できたのが良かった。お世話になった東北の人たちのためにもがんばる」。東北福祉大OGの佐伯が、被災地にささげる勝利を狙う。【塩畑大輔】