<米男子ゴルフ:マスターズ>◇2日目◇6日◇米ジョージア州オーガスタナショナルGC(7435ヤード、パー72)◇賞金総額800万ドル(約6億4000万円)優勝賞金112万ドル(約8960万円)

 東北福祉大3年の松山英樹(20)が74で回り、通算1オーバー145で31位につけ、アマチュアながら2年連続予選突破を果たした。最優秀アマとなった昨年に続く快進撃で、来年の出場権を得られる16位以内を目指す。石川遼(20=パナソニック)は77と崩れ、通算9オーバーで予選落ち。大会最年長Vを目指す52歳のフレッド・カプルス(米国)が通算5アンダーで首位に並んだ。

 目の肥えた観客を熱狂させる、まさにミラクルショットだった。17番パー4。第1打を右の林に打ち込んだ松山は、目の前の木を避けるべく、5番アイアンで強烈に横回転をかけたショットを放った。ピンまで188ヤードの間に、30ヤードほど曲がるブーメランスライスが、見事にグリーンをとらえた。歓声に押され上がったグリーンで、6メートルのバーディーパットを沈めると、さらなる大歓声が起こった。

 16番まで1オーバーだった。「イーブンパーが通過ラインだと思っていた」という。実際は44位以内または首位と10打差までが条件で、余裕はあった。勘違いが生んだ奇跡とは言え、技術の高さは同組で回ったメジャー8勝のトム・ワトソンをもうならせた。ホールアウト後は日本語で「ガンバッテ」と激励され、使っていたボールを託されるほど、実力を見込まれた。

 アマで2年連続の予選通過は快挙だ。それでも松山は、「今回はローアマよりも、次回の出場権が得られる16位が目標。4つくらい伸ばせばいける」と気合十分だった。【塩畑大輔】