男子ゴルフの松山英樹(21=東北福祉大)が、史上最多の国内ツアー年間表彰9冠を達成した。9日に国内ツアーの表彰式に出席。史上初となるルーキー賞金王に加え、最優秀選手賞、最優秀新人賞、平均ストローク1位、パーキープ率1位、バーディー率1位、サンドセーブ率1位、Unisysポイントランキング賞(プレーに関する9部門の総合点1位)、ゴルフ記者賞の9部門で表彰された。これまで最多だった03年伊沢、09年石川の8冠を超えた。

 都内ホテルで行われた表彰式。各部門の表彰のたび、何度も「松山英樹」の名前が読み上げられた。史上初となる、最優秀選手賞と最優秀新人賞の同時受賞。ゴルフ記者賞部門では、有効投票全89票すべてが「1位

 松山英樹」だった。結局、18部門中9部門を独り占め。時代を築いた伊沢、石川の「8冠」を超える最多記録を樹立した。

 「あまり実感はないです。来年になれば湧くのかな」。松山はシーズン中には見せない柔和な表情で、さらりと受け流した。むしろ会見に同席した日本ゴルフツアー機構の海老沢会長の方が「今シーズンは松山に始まり、松山に終わったといっても過言ではない」と言葉に力を込めた。

 松山はむしろ「来年は早めに米ツアーのシードを取りたい。そうすれば日程に余裕ができて、日本の試合に早めに出られるかもしれない」と先を見据えた。そして史上最多の9冠についても「米ツアーでも、同じくらい部門別のタイトルがとれるようになりたい」とキッパリ。今季開幕直後の米国で「ドライバー平均飛距離」「ピンを狙うショットの精度」の主要2部門で1位に君臨するだけに、その将来を期待させた。

 国内ツアーの終盤に痛めた左手親指付け根も、最終戦の日本シリーズJT杯を休んだことで「腫れが引いてきた」という。「ただ1週間クラブを握ってないので、そのまま試合に出るのはどうかとも思う」と今週の男女シニア各ツアー対抗団体戦、日立3ツアーズ選手権出場は微妙だが、その分慎重な調整で、来年のさらなる飛躍を目指す。【塩畑大輔】