<女子ゴルフ:KTT杯バンテリン・レディース>◇第2日◇19日◇熊本空港CC(6455ヤード、パー72)◇賞金総額1億円(優勝1800万円)

 「15歳293日」のツアー最年少Vへ、史上4人目のアマチュアVへ。アマチュアの勝みなみ(鹿児島高1年)が、首位と1打差2位で最終日を迎える。実はプロ野球阪神の熱狂的なファンで、「六甲おろし」を口ずさみながら71で回り通算7アンダーとした。首位は譲ったものの猛虎魂全開で快挙に挑む。通算8アンダーで福田真未(21)が首位に立った。

 もう一伸ばししたい後半12番パー4で、勝が歌い始めた。曲は阪神の応援歌で通称「六甲おろし」だった。「歌うのは、気分を盛り上げたい時ですね」。

 14番パー4で9メートルのロングパットを放り込んだ。16番パー3では4メートルのチャンスを決めた。終盤の2バーディーで首位と1打差のホールアウト。首位は守れなかったが、猛虎魂でV戦線に踏みとどまった。

 「はい、阪神ファンです。六甲おろし、3番までちゃんと歌えますよ。私、トラ年ですし」。鹿児島で生まれ育った少女を虎党に導いたのは、ゴルフの師匠でもある祖父の市来龍作さん(74)。かつて“物干しざお”の元祖ミスター・タイガース故藤村富美男さんに心酔した「トラ一筋」という祖父の影響だ。

 「マートンが打ったら勝つから、マートンが好き!」という勝は、名山小4年のジュニア大会で阪神の帽子をかぶった。中学入学までのドライバー、フェアウエーウッド、パターのヘッドカバーは猛虎印。スマホに買い替えるまで携帯電話のストラップも全部阪神グッズ。小4で京セラドーム大阪開催の横浜戦を観戦した。「一塁側の切符が取れず三塁側。金本選手がこっちに向かってサインボールを投げてくれたのに、となりのオジサンに捕られました」と笑う。

 この日は六甲おろし以外にも大ヒット中のアニメ映画「アナと雪の女王」の主題歌「Let

 It

 Go」も歌った。この大会で3年連続バッグを委ねるハウスキャディー宮崎令子さん(46)に「絶対、見た方がいいです」とお薦めしながらプレーした。

 最終日は15歳293日の最年少優勝、4人目のアマチュア優勝がかかる。「う~ん、せっかくプロの大会なので、普通にやりたいです」。屈託なく、無邪気なままで歴史的快挙に迫ってきた。【加藤裕一】

 ◆アマチュア優勝

 73年トヨトミレディースの清元登子、03年ミヤギテレビ杯の宮里藍、12年サントリーレディースのキム・ヒョージュがおり、勝が達成すれば4人目。<日本女子ツアー年少優勝ベスト5>

 (1)☆キム・ヒョージュ(16歳332日)12年サントリーレディース

 (2)☆宮里藍(18歳101日)03年ミヤギテレビ杯

 (3)野村敏京(18歳178日)11年中京テレビ・ブリヂストン

 (4)ポーラ・クリーマー(19歳9日)05年NEC軽井沢72

 (5)横峯さくら(19歳125日)05年ライフカードレディース

 ※☆勝みなみ(15歳293日)14年バンテリン・レディース☆はアマチュア。※は今日20日時点の年齢。