<高校総体:みちのく発>

 特別な思いで、大会に出場している選手たちがいる。陸上女子の恵庭北(北海道)の部員たち。東日本大震災の発生後は、同校で募金活動に協力するなど被災地へエールを送ってきた。今回、初出場となる吉岡佳菜絵主将(3年)は「震災があって大会が開催されるか最初は不安もあった。でも出られてよかった」と言った。

 同主将は、高校入学後にハードル種目からやり投げに転向。右膝靱帯(じんたい)損傷の故障を乗り越え、最後の年につかんだ大舞台だった。3日に行われた女子やり投げでは、あと1歩及ばず決勝進出を逃したが「足りない部分が分かった。3年間の締めくくりというよりは、これから先につながると思う」と全国のレベルを肌で感じ今後の発奮材料にもなった。

 この日、チームメートらとおそろいのTシャツを着て仲間を応援。彼女らの背中には「千里の道も一歩から…」と書かれた言葉がプリントされていた。その言葉と同じように、大会で奮闘する選手たちの頑張りは、東北にも大きなエールになっている。【石井克】