<全国高校総体:陸上>◇第4日◇7月31日◇大分銀行ドーム

 陸上男子100メートルで日本初の9秒台を狙う桐生祥秀(17=京都・洛南高3年)が、大会新記録で初タイトルを獲得した。この日3レース目となった決勝で追い風0・1メートルの中、10秒19。94年に高橋和裕の記録した10秒24を19年ぶりに更新し、中学、高校を通じて初の日本一になった。

 日本人初の9秒台突入に備え、会場では万全の運営態勢が敷かれた。4月に日本歴代2位の10秒01を出した際は国際陸上連盟の基準を満たす風速計が使用されておらず、ジュニア世界記録として公認されなかった。こうした事態を繰り返さないために、フライングを自動的に感知する装置がついたスタートのブロックを使うなど、異例の対応が取られた。

 視察に訪れた陸上の指導者、小出義雄氏(74)は、かつてのまな弟子でシドニー五輪マラソン女王の高橋尚子さんを引き合いに出し「Qちゃんみたいなスター性がある」とたたえた。