<全国高校総体:陸上>◇第4日◇7月31日◇大分銀行ドーム

 女子走り高跳びで浜松市立・松島美羽留(3年)が自己新記録の1メートル74で準優勝した。東海大会は4位と不振に陥ったが、高校生活の集大成と位置づけた大会で悲願のメダルを獲得した

 試合後の表情は晴れやかだった。松島は決勝で自己記録を1センチ上回る1メートル74を3度目のジャンプで成功させた。この時点で同じ高さをクリアした選手が2人になったため、メダルが確定。「うれしくて自分のジャンプは覚えていない」。表彰式で銀メダルを受け取ると、何度も触って、じっと見つめてから満面の笑みを浮かべた。1年生で初めて出場した全国総体は5位タイ。昨年は4位だっただけに喜びも大きかった。

 不振を乗り越えてつかんだ準優勝だ。東海総体は4位と苦戦した。優勝候補として期待されながら、結果が出なかった。踏み切り前に体のバランスが崩れ、思うようなジャンプができなかった。「何をやってもうまくいかなかった」と当時の苦しさを明かした。

 それでも、意地があった。松島は浜松市立陸上部の部長を務めている。重圧もあったが、県内屈指の名門チームを引っ張るリーダーとして、恥ずかしい姿は見せられない。30日には女子400メートルで杉浦はる香(3年)が準優勝。レースは見られなかったが、その日の夜に動画投稿サイトの「ユーチューブ」で仲間の走りを見た。松島は「自分も頑張らないといけない」と、いつも以上に気合が入っていた。

 高校卒業後は就職する予定で、今大会が高校生活最後の全国大会になる。有終の美を飾った松島は「自分の中では集大成のつもり。だからこそメダルがほしかったし、取れて本当にうれしいです」。そう話すと、首から下げたメダルを見つめて、晴れやかな笑顔を見せた。【神谷亮磨】