<全国高校総体:陸上>◇1日◇大分銀行ドーム◇女子400メートルリレー

 浜松市立が45秒73で準優勝した。エースの杉浦はる香(3年)は右ひざ痛をこらえて強行出場。トップでアンカーの建部カオリ(3年)に渡したが、最後の直線でかわされた。それでもチーム新記録を樹立。連覇がかかる明日3日の4×400メートルリレーに弾みをつけた。

 悲願の優勝まであと1歩及ばなかった。浜松市立は3走の杉浦がバトンを受けた時点で中位だったが「私でどれだけ貯金ができるかが勝負だった」と会心の走りを見せ、一気にトップに躍り出た。アンカーの建部に全てを託すも、最後の直線でロンドン五輪代表の埼玉栄・土井に抜かれ、2位でフィニッシュ。建部は「勝ちたかったですね。タイムよりも順位を狙っていた」と唇をかんだ。

 大会初日に400メートルで準優勝した杉浦は31日の練習中に右ひざを痛めたという。「走るとピキッという痛みがある」。この日はテーピングを施して強行出場。万全ではなかったものの、「1位で渡すことだけ考えていた」と、チームのために走り抜いた。

 昨年の3位から1つ順位を上げ、タイムはチーム新記録を樹立。1走の藤森菜那と2走の大竹佑奈はともに1年生。大竹は試合後に悔し涙を流したが、大舞台での経験は今後に生きてくるはずだ。藤森は「ベストタイムを出せたことがよかった」。大竹も「今日の悪かったことを反省してこれから頑張りたい」と決意を新たにした。

 明日3日は連覇がかかる4×400メートルリレーが控えている。優勝大本命の種目だけに、絶対に負けられない。昨年は2位に3秒以上引き離しての圧勝だった。杉浦は「今日の悔しさをぶつけたい。大差をつけていい形でインターハイを締めくくります」とキッパリ。今年もぶっちぎりで優勝を勝ち取ってみせる。【神谷亮磨】