<全国高校総体:陸上>◇2日◇大分銀行ドーム◇女子200メートル

 神保祐希(石川・金沢二水3年)が初優勝した。得意種目の400メートルは3位、100メートルでは4位と悔しい思いをしてきたが、この日ようやく頂点に立った。

 神保の腕振りが、残り50メートルから大きくなった。力強い走りで加速すると、30メートル付近で頭1つ抜け出した。2位と0秒11差の接戦を制して初優勝。「優勝を考えるとプレッシャーになるので意識しないようにしていた。実感が湧きません」。僅差の勝利に、喜ぶことを忘れていた。報道陣に促され、ようやく小さなガッツポーズを決めた。

 得意種目は400メートル。だが、決勝は昨年Vの大木彩夏(群馬・新島学園3年)、高校記録を持つ杉浦はる香(静岡・浜松市立3年)に阻まれ、3位。100メートルもロンドン五輪代表の土井杏南(埼玉栄3年)らに敗れ4位に終わった。両レースともに勝ちを意識し本来の走りができなかった。だからこそ、200メートルは無欲で走った。スタートこそ出遅れたが、400メートルで培った持久力と、100メートルで鍛えた高速のピッチ走法も勝利を後押しした。

 もともと400メートルのために始めた200メートル。しかし北信越大会ではジュニア日本記録歴代2位の23秒65をマークし、今大会も優勝した。「ずっと400メートル中心にやってきたけど、200メートルも頑張ろうと思います」。優勝で、得意種目変更がちらついていた。