財政再建に取り組む北海道夕張市で、市内を南北に走る林道(全長約12キロ)上に設置された鉄製の排水溝ふた計46枚が盗まれていたことが9日、分かった。

 この林道は自動車の世界ラリー選手権(WRC)第14戦として10月31日に行われる「ラリージャパン」の競技ルートになっている。競技に支障が出る可能性もあり、市は開催までにふたを新たに設置する考えだが、担当者は「弱り目にたたり目。なぜこんなことを…」と、想定外の出費に頭を抱えている。

 市によると、8月29日、パトロール中の職員が林道を横断するかたちで設置されている排水溝のふたがなくなっていることに気付いた。ふたは縦約40センチ、横約1メートル、重さ約40キロ。

 ふた46枚の設置には約110万円が必要と見込まれており、市は夕張署に被害届を出すとともに、財源捻出(ねんしゅつ)の方法を検討している。