<MotoGP:日本GP>◇決勝◇28日◇栃木・ツインリンクもてぎ(1周4・801キロ)

 バレンティーノ・ロッシ復活Vの陰には、ヤマハのワークスチームの意地があった。04年に呼んだロッシは、期待通りに2連覇を達成。その後は2年連続でタイトルを逃し、「どうしたら勝てるようになるんだ」とチームに重圧をかけてきたという。そんなロッシを説き伏せたのが、現場トップの古沢政生技術統括部長だった。「来年は勝てるマシンにする。お前はサーキットに来ればいいんだ」。実際に開発にかかわった日本人技術者を現場に呼ぶなど、組織改革を敢行。ロッシの希望で、今季からはタイヤもあらゆるレースに適応できるブリヂストンに替えた。

 同部長が狙うのは、70年代に築いた黄金時代の再現だ。当時のエース、アゴスティーニは最高峰クラスで8度優勝。「今はそのシナリオ通りに進んでいる。ロッシにはまだ言ってないけど、彼もたぶんそう思っているだろうね」。ロッシの総合優勝は、今回で6度目。筋書き通りなら、ロッシとの契約が残る2010年には金字塔に届く。