「ダカールラリー2011アルゼンチン・チリ」に参戦する「チームランドクルーザートヨタオートボデー(TLC)」のエースドライバー三橋淳に史上初の市販車部門6連覇の偉業に挑む意気込みなどについて聞いた。Q、本番(2011年1月1日スタート)まで1カ月を切りましたが現在の準備状況はいかがですか?

 昨年はチームの経済状況が悪く、参戦できること自体が奇跡的だったので、それに比べたら格段に準備状況は良いです。モロッコのテスト、ダカールの前哨戦にも出場できましたし、順調だと思います。Q、史上初の6連覇に対するプレッシャーはありますか?

 6連覇に対するプレッシャーはおそらく僕以外のメンバーの方が感じているんじゃないかと思います。自分はこのチームに参戦して4回目のラリーになるんですけど、その内、3回出場して2回優勝していますし、今回も優勝する自信はありますので、プレッシャーはありません。Q、パリ・ダカールのコースと今回のアルゼンチン・チリのコースの違いはどこにありますか?

 パリ・ダカールのコースはアフリカの未開の地や荒野を走る。それに対してアルゼンチン・チリは文明国でマクドナルドもホテルも幹線道路も高速もある。ということは、砂漠を探さなきゃいけないんですよね。だから、ラリーをやるのに極端に難しいところに連れていくんですよ。もし、その難所をクリアできなければ延々とそこをトライしなければならない。パリダカの場合は難所がクリアできなければ、回り道をすれば良かったんですけど、このコースはそれができないというのが1番の違いですね。Q、コースの中で優勝のカギを握るステージはどこですか?

 勝負はチリに入ってから。今年はいつもよりナビゲーションが難しい設定になっている。たぶん、主催者は砂丘越えとナビゲーションというパリダカの持つ魅力を最大限に引き出そうと思っているので、やはり、チリに入ってからの1週間がポイント、そこをうまく乗り切って笑顔でブエノスアイレスに帰ってきたい。Q,今年は昨年優勝を飾ったカタルリナビゲーターから新しくフランス人のアラン・ゲネックナビゲーターに変わりますがその点はどう感じていますか?アランはチームの方が選んでくれたんですけど、もともとBMWなどで総合優勝争いをした実力者。実績も十分ですし、スピードレンジの早いナビにも慣れていて経験も豊富、うれしいというか良い材料が1つ増えた感じでとても喜んでいます。Q、休息日1日を含む長い17日間というレースを戦うにあたって、生活のリズムを保つ面で気をつけていることは?

 普段はお酒を飲むんですけど、レースの1週間前からラリーが終わるまではお酒は飲まないですね。後は食べることができるものをちゃんと食べて、しっかり寝る。特に特別なことはしていないです。ストレスを持ち込まないことが1番ですね。Q、最後にファンの方にメッセージを!

 2,3年前から日本のモータースポーツが世界の舞台から撤退するニュースばかりでしたけど、僕たちトヨタのダカールラリーチームは世界の舞台で懸命に戦っていますので、日本の侍魂を世界に発信していきたいと思います。みなさん、よろしくお願いします。★三橋淳(みつはし・じゅん)1970年7月2日生。2001年よりライダーとしてダカールラリーに参戦。2007年にTLCに加入し、07年、10年と2度の市販車部門優勝を獲得。日本を代表するトップクラスのクロスカントリードライバー。