F1のスーパーアグリが、資金難などを理由に完全もしくは一時撤退が不可避な情勢になったことが5日、分かった。鈴木亜久里代表(47)が6日、都内で緊急会見し、事情を説明する。06年のチーム創設当初から資金繰りに苦しみ、親チーム的存在のホンダなどへの債務が累積。ドイツの自動車部品メーカー・バイグルとの資本提携で合意したが、出資規模などが活動の維持に不十分として、ホンダが難色を示していた。

 参戦資金も不足し、9日開幕のトルコGPはチーム施設の搬入が認められていない。レース出走は絶望的で、ドライバーの佐藤琢磨は「(主催者から)僕たちがレースできないと聞いた。何の決定もされていないのに、なぜだか分からない」と困惑した。06年にチーム代表、エンジン、ドライバーが日本関連という「夢の国産チーム」が、最大の窮地に立たされた。