ピンチをチャンスに変えろ-。日本バスケットボール協会の改革を主導するタスクフォースの川淵三郎チェアマン(78)は15日、都内で日本協会主催の「ガバナンスに関する勉強会」に出席。約90人の理事、評議員らの前で現状の説明を行った。国際連盟(FIBA)から無期限の国際試合出場停止に追い込まれた現状を嘆くとともに、早急で大胆な改革の必要性を、時には顔を紅潮させながら強く訴えた。

 まずは、ここまでバスケット界を衰退させた張本人たちでもある協会の執行部、理事たちに怒りをぶちまけた。

 川淵 昨年10月末までに解決しないと、五輪予選は出せないと、FIBAから警告されていた。にもかかわらず、解決できなかった。一体、何を考えてんだと。バスケットは世界でサッカーに次ぐ競技。日本でも(競技者登録人数は)野球、サッカーに次ぐ3番目。みんな本当に真剣に考えているのか。体たらくぶりには怒り心頭。わたしは何でも本心を言う。不愉快に思われてもどうでもいい。

 現在、NBLとTKbjリーグの統合に向けて作業を進めている。リーグ発展→日本代表強化→マーケティング拡大。男子は76年モントリオール大会から五輪に出場できていないが、サッカーのような成功物語を重ねる。

 川淵 カーリングはバスケットより競技人口は何十分の一。それでも、メディアに大きく取り上げられる。それは五輪に出て人気が出たから。一方でバスケットはあまり報道されない。リーグの結果報道は新聞では1行。(サッカーに次ぐ)62万人の競技者登録を誇りながら、これほど愚かなことはない。強いリーグを作って、強い日本代表をつくる。それを日本協会がやらないといけない。

 昨年12月、日本協会の理事は総退陣を表明。タスクフォースとしては5月末までにリーグ統合とともに、日本協会の新人事も決めていく。

 川淵 FIBAはいますぐに(日本協会の)幹部を全員替えることが大前提と言われている。この1カ月の間に集中的に、実力のある人、優秀な人を探さないといけない。

 「前例打破」を掲げる川淵チェアマンは、リーグ統合とともに、日本協会の組織構造の大改革も進めていく。