日本バスケットボール協会は15日、都内で日本代表候補27人を発表し、昨年末の全国高校選抜優勝大会で2連覇した宮城・明成(3年)の八村塁(17)を初選出した。9月には来年のリオデジャネイロ五輪予選を兼ねたアジア選手権(中国)が控える。40年ぶりの五輪切符獲得へ、唯一の高校生の活躍が期待される。

 17歳が低迷打破の切り札になる。身長198センチ。西アフリカのベナン人の父と日本人の母を持つ。昨年U-17世界選手権では得点王を獲得。豪快なダンクはもちろん、外からのシュートも得意とする。過去の日本にはいない規格外の選手。本人も「自分は他の日本人とは違う。そこを生かしたい」と自覚十分に言った。

 五輪切符はアジア選手権の優勝国のみで、3位までに来年の世界最終予選出場権が与えられる。76年モントリオール大会以来五輪から遠ざかる日本は近年アジアでも低迷。アジアの壁は厚く高いが、過去を知らない17歳に恐れはない。「高校生らしく、ハキハキしてエネルギッシュにいきたい」と前を向く。国際連盟(FIBA)からの資格停止など暗い話題の多かったバスケ界に、高校生が新風を吹き込む。【田口潤】

 ◆八村塁(はちむら・るい)1998年(平10)2月8日、富山市生まれ。奥田中1年からバスケットボールを始め、中3で全中準優勝。宮城・明成高では全国高校選抜大会の2連覇に貢献。家族は両親と弟、妹2人。198センチ、95キロ。