日本オリンピック委員会(JOC)は23日、都内で評議員会を開き、新理事30人と新監事3人を承認した。

 日本レスリング協会副会長でもある松浪健四郎評議員(68)は新理事と新監事で20人以上が60代以上であることを問題視。「5年後に東京五輪があるのに、働き盛りの40、50代が3分の1。老人クラブのようだ」とJOC批判を展開した。

 松浪氏はまずは70歳定年を過ぎた日本体育協会(日体協)の張富士夫会長(78)の新理事推薦に「日体協は人材がいないのか」と疑問を呈した。もともと日体協会長は情報共有の狙いもありJOC理事を兼任してきた。定年を過ぎた張会長は特例扱いになっているが、松浪氏の怒りは収まらなかった。

 新理事、新監事計33人のうち、60代以上が21人。

 松浪氏 五輪ムーブメントを高めるためには発想の転換が必要。今まで通りの人事ではいけない。若手を思いきって起用するべき。

 役員候補者選考委員会委員長の林務JOC名誉委員は「各競技団体から推薦された方々。各団体に若手登用を啓蒙しないといけない」と応えたが、これにも松浪氏は反発。「選考委員会は承認するだけの組織なのか。理念があるなら、突っ返せ」と止まらなかった。

 松浪氏は批判したものの、評議員会では計33人の新役員が満場一致で承認された。会議後、松浪氏は「評議員の自覚が不足している。これで20年は大丈夫なのか」と不安を口にしていた。