新国立競技場(東京都新宿区)の建設問題で、デザインを手掛けた女性建築家ザハ・ハディドさんが代表を務める英国の建築事務所の担当役員、ジム・ヘベリン氏は16日、焦点となっているアーチ構造の屋根について「屋根の変更は(工事の)遅れと工費増大につながり、2019年のラグビーW杯や20年の東京五輪に間に合わなくなる恐れがある」と指摘した。共同通信の取材に答えた。

 ヘベリン氏は、アーチ構造の屋根は「シドニー五輪のスタジアムなど多くの採用例がある」と確立されたデザインであることを強調。新国立競技場の設計に当たって、各種の効率性を追求したとし、「計画にとって死活的に重要な工期と工費を縮小できるよう、アーチ構造の屋根と観客席を並行して工事できるデザインになっている」と説明した。

 総工費の見通しが増えていることについては「日本側での記者会見でも説明されたように、東京における建設費の上昇が原因で、デザインや建築物の種類に起因するものではない」と語った。