新国立競技場の建設問題で、白紙撤回となったデザインを手がけたザハ・ハディド氏の英国の建築事務所の担当役員が来日し、22日に東京都内で事業主体の日本スポーツ振興センター(JSC)側と会談して引き続き計画へかかわることに意欲を示した。JSCの吉尾啓介理事が23日、明らかにした。

 吉尾理事によると、担当役員のジム・ヘベリン氏はJSCから詳細な状況説明を受けるために来日。白紙撤回について「非常に残念」と語る一方で「自分たちが今までやってきたことを生かしたい」とも述べたという。JSC側は「(今後は)定められた手続きに従ってやるので理解してほしい」と伝えた。

 ハディド氏のデザインは2本の巨大なアーチ構造が特徴で、難工事を伴うため、総工費が2520億円に膨らむ要因となった。