2020年東京五輪・パラリンピックの主会場となる新国立競技場の計画見直し問題を巡り20日、一般社団法人構想日本が都内で行ったシンポジウム「で、どうする-新国立競技場」で、新秩父宮ラグビー場に陸上トラックを併設し、サブトラック問題を解決する私案が飛び出した。16年東京五輪招致推進担当課長だった鈴木知幸氏(現順大客員教授)が提案した。

 今年4月、東京都や日本スポーツ振興センター(JSC)や地権者が「神宮外苑地区まちづくりに係る基本覚書」を締結。都は、20年五輪へ向け現秩父宮ラグビー場を取り壊した後、臨時駐車場にし、五輪後は新神宮球場にする構想を発表した。その中で、現神宮球場を新秩父宮ラグビー場とする案が示されたが、鈴木氏は「ラグビー場の周囲に8レーンの第3種陸上競技場を整備すべきだ。サブトラックを仮設にしては新国立の陸上施設が無用の長物になってしまう」と訴えた。

 建築エコノミストの森山高至氏は再コンペ案で設計施工一体型が採用される点を指摘し、「これでは日本の大手ゼネコン5社しか元請けにならない。大手が使いやすい建築家が選ばれるでしょう」と述べた。

 また、聴衆者として参加した自民党の河野太郎衆院議員は「観客6万人、サッカー場、サブトラックは仮設という方向で粛々と進められている。このままでは相当高い金額になる。2520億が1800億円とかで済まされそう。これでは白紙撤回が意味をなさない」と話した。