男子カヤックシングルの矢沢一輝(善光寺大勧進)が五輪出場枠を獲得し、代表に決まった。矢沢は「うれしいです」と言葉に実感を込めた。出身地長野県の名刹(めいさつ)、善光寺の僧侶という異色の選手。妹の亜季と2人で五輪に臨む夢が実現し「一緒にいけて本当によかった」と満面に笑みを浮かべた。

 9位になったロンドン五輪後に国際舞台から離れ、出家して仏の道に転身した。競技生活は国内に限定するつもりだったが、4月の全日本スラローム大会で優勝し「まだやれる」と五輪への再挑戦を決意した。

 準決勝では「冷静なレースができた」と持ち味の堅実さを発揮。「リオ五輪でメダルを狙いたい」と意気込んだ。

 ◆矢沢一輝(やざわ・かずき=カヌー・スラローム男子カヤックシングル)10年広州アジア大会銀メダル。12年ロンドン五輪9位。駿河台大出、善光寺大勧進。167センチ、66キロ。26歳。長野県出身。