「ただいまです~!」。1年の休養を経て復帰戦を迎えた浅田真央(25=中京大)が、笑顔満面に会場のファンに向けて弾んだ声を響かせていた。

 「初戦にしては、いままで一番のジャパン・オープンの演技ができました」。14年世界選手権以来、553日ぶりのリンクで、さっそくインパクトを残した。

 冒頭のトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)を成功させるなど、141・70点。国際スケート連盟(ISU)の公認記録はならないが、14年ソチ五輪での自己ベスト142・71に次ぐ得点をたたき出した。

 フリー「蝶々夫人」は米国人の夫を長崎で待ち続けた日本人女性の悲恋の物語。「待ち続ける切ない物語。日本人の芯の強さを演じたい」と、制作に関わった着物風の衣装で舞った。しっとりとした表現を体から漂わせ、「自分がしたい滑りができたのではないかな」と自己評価した。