SP首位の羽生結弦(21=ANA)がフリーで183・73点をマーク、SPとの合計で286・36点とし、4連覇を飾った。2位には267・15点で宇野昌磨(18=中京大中京高)、3位は263・46点で無良崇人(24=HIROTA)が入った。

 羽生は2度転倒し、不本意な演技となった。「メラメラと悔しい思いがわき上がっている。それも自分らしいかな。自分の中では勝ったと思っていません」と感情を隠さなかった。

 冒頭の4回転サルコー、続く4回転トーループを立て続けに成功。3回転フリップも決めた。しかし後半に入り、コンビネーションジャンプの4回転トーループで着氷の際に転倒。続くトリプルアクセルでも転倒した。以降のジャンプはなんとかまとめたが、首をかしげ不満の残る表情で演技を終えた。

 午前の公式練習中には村上大介(24=陽進堂)と衝突して転倒、周囲をひやりとさせたが、アクシデントを乗り越え、栄冠を勝ち取った。

 今大会は来年3月の世界選手権(ボストン)代表選考会も兼ねており、優勝した羽生が出場権を獲得した。羽生は「世界選手権に向けて、気持ちを切り替えていく。これからやっと本当の練習ができるという意味ではホッとしている」と気を引き締めた。

 上位の結果は以下の通り。

(1)羽生結弦 286・36点

(2)宇野昌磨 267・15点

(3)無良崇人 263・46点

(4)田中刑事 242・05点

(5)小塚崇彦 228・82点

※得点はSPとフリーの合計点

 ◆世界選手権代表選考 日本の出場枠は男子が2、女子は3で、全日本選手権の優勝者は自動的に代表決定。男子の2人目は全日本の2、3位、GPファイナル出場者(羽生、宇野、村上)などから選ぶ。女子の2人目は全日本の2、3位、GPファイナルの日本勢上位2人(宮原、浅田)から選び、3人目は全日本の4~6位なども含めた中から総合的に判断する。ペアとアイスダンスは国際的な競争力を考慮して各1組を決定する。