伏見工(京都)が14トライを奪うなど郡山北工(福島)を破った。同校最多得点差の大勝で節目となる花園の幕を開けた。10点リードの前半14分、自陣ゴール前5メートル地点まで攻め込まれながら、相手モールからボールをスチール。SH中村友、SO奥村が素早いパスで、U-17日本代表WTB木村につないだ。50メートル走チーム最速6秒のトライゲッターが約80メートルを独走し、インゴールに飛び込んだ。

 「ディフェンスからターンオーバーして、トライを取りきる。あれは良かったと思います」と木村は“お家芸”に胸を張った。

 来春、洛陽工と統合し、校名が「京都工学院」になる。部は今後、現1年生が卒業するまでの2年間「伏見工・京都工学院」を名乗り、現校名は消える。それでも、伏見ラグビーは変わらない。この日、スタンドから見守った山口総監督は前日26日、奈良市内にある「さるさわ池 よしだや」を訪れ、選手に「この旅館から花園まで行く道筋が、伏見工が培ってきたものなんや」と告げた。初出場した79年度大会以来、世話になっている宿舎で伝統の重みを伝えた。

 NO8佐々木主将は言う。「『校名が変わる』と言われますが、伏見のラグビーは変わりません」。3大会ぶり20度目の花園も、5度目の頂点を見据えて戦うだけだ。【加藤裕一】

 ◆伏見工が花園で同校最多得点差勝利 78点差は02年度大会2回戦・札幌山の手戦の77点差(77-0)を更新。78得点は96年度大会2回戦・巻戦の78-7に並ぶ記録。