全英で日本勢が3種目で決勝に進んだのは史上初だった。近年活躍が目立つ日本勢の強さの秘密を日本バドミントン協会銭谷欽治専務理事(63)に聞いた。

 Q 全英オープンとは

 A 最古の大会でテニスでいえばウィンブルドンのようなもの。選手にとって、決勝の舞台は聖地です。

 Q 今、日本が強い理由

 A 全種目で1勝だった04年アテネ五輪直後、韓国から92年バルセロナ男子ダブルス金の朴柱奉(パク・ジュボン)監督を招きました。彼が「世界で勝つ気はあるのか」とはっぱをかけ、代表選手の意識改革をしてくれました。その年から本格的にジュニア強化も始めました。08年にナショナルトレーニングセンターが出来、常に10コート使えるようになったこと、専門家のサポートを受けるようになったのも大きいです。昔はトップ選手は年間4、5試合しか海外の大会に出ていませんでしたが、今は所属チームと協力し、協会予算の大半を遠征費に充て、年間約240日を海外転戦しています。12年前とは天と地の差です。

 Q リオ五輪の展望

 A 桃田選手は今回負けましたが、彼を含め複数種目でメダルの可能性があります。5月の代表発表後も五輪シード争いの大会が続く。綿密に派遣計画を練り、サポートしたいです。【取材・構成=高場泉穂】